心臓・血管の健康を賭けたギャンブルとは?

以前私がカジノで遊んでいた時の話です。照明がチラチラと点滅し、わずかにお酒の匂いがして、客同士の会話が少し聞こえてきます。サイコロが転がる音、機械のギシギシと動く音、時折コインがぶつかる金属音も聞こえていました。何時間も同じマシンのイスに、同じ人が座っています。カジノに慣れていなかった私は、テレビや映画で見たシーンが現実にあることに圧倒され、失神しまいそうになったのです。そして、カジノの壁にAED(自動体外式除細動器)が設置されていることは、映画でも現実でも気づきませんでした。それは壁一面に施された派手な装飾が原因だったのかもしれません。

昨年発表された病院外での心停止事故とAEDの設置状況を分析した調査によると、学校は心停止事故の発生リスクが比較的低いにもかかわらず、約75%の学校にAEDが設置されていました。一方、カジノや遊園地では年に1件の心停止が予想されていますが、救命器具の設置数はそれほど多くありません。

数十年も前から生まれつつあった致命的な嵐

心停止は、その場ではランダムに発生するように見えますが、実はそうではありません。実際には、多くの人が何十年も前から、座りっぱなしの生活、肥満、糖尿病、喫煙など、この病気のリスク要因を抱えていたのです。突然の心停止による死亡者の大部分は、基礎疾患である冠状動脈性心疾患が原因となっています。コレステロール値が高い、中性脂肪値が高い、年齢が高いなどは、いずれも冠状動脈性心疾患の危険因子であり、米国ではこの疾患により4人に1人が死亡していると言われています。

心臓病の人は、日常生活では何の支障もないかもしれませんが、ただでさえ脆弱な体のバランスを大きく崩す要因があります。ギャンブルがその良い例です。

「緊張」の持つ不思議な特徴は、その人にとって嬉しいこと(5,000ドル勝つこと)も残念なこと(5,000ドル負けること)も、同じ影響を与えるということです。人が過剰な負荷を受けると、感情の解釈に関連する脳領域である扁桃体が、別の脳領域である視床下部にSOSを発信します。視床下部は、ストレスシステムの「司令塔」とも言える場所として知られています。

ストレスのかかる状況に直面すると、交感神経系交感神経系(闘争または逃走の反応を制御)が作動します。脳から副腎皮質に信号が送られ、そこからストレスホルモンであるアドレナリンが分泌されることがそのきっかけとなります。この時、血中のアドレナリン濃度は通常の50倍に達することもあります。私たちがストレスを感じる場面に遭遇すると、アドレナリンによって心拍数が上がり、目が鋭くなり、呼吸が速くなります。アドレナリンは、肉食動物から逃げたり、急発進した自動車から飛び出したりするのに役立ちます。

しかし、このホルモンは、座りっぱなしの生活で心臓が弱っている人には有害物質となります。ストレス反応により心拍数や血圧が上昇し、動脈壁に沿って成長したコレステロールによる血管プラークにとっては好ましくありません。これにより、最も必要な時に心臓に届く酸素が不足したり、血栓が形成されたりして、心不全や脳卒中を引き起こす原因となります。

カード派の方もスロット派の方も、テーブルの前に腰掛けてゲームをプレイする前に、心臓の健康状態を確認することをお勧めします。